こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の塚越です。
先日、久しぶりに昔の手帳を開いてみました。
数年前のページには、
びっしりと書き込まれた予定やタスクが並んでいて、
思わず苦笑い。
朝から夜まで、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたスケジュール。
打ち合わせ、職場の交流会、ジム通い、資格の勉強……
まるで「空白がある=怠けている」とでも思っていたかのようでした。
大学時代の友人の中には、有名な企業に就職していった人も多く、
どこかで「すごいな」「羨ましいな」と思いながらも、
そんな自分の気持ちに気づかないふりをしていたのかもしれません。
「私は私の道を歩んでるし」「好きなことを仕事にしてるし」
そう言い聞かせながら、
“自分らしく頑張ってる自分”を一生懸命に作り上げていました。
・・・あれから数年が経ち、今の私は少し違います。
海沿いを散歩しているとき、
愛犬とソファでゴロゴロするとき、
家族で食卓を囲むとき、
無心で編み物をしているとき。
「何かを成し遂げる」とはまた違う、
”余白が心を整理してくれる感覚”を少しずつ覚えていきました。
そんな時間を重ねるうちに、
”がんばる”という言葉の意味が、
私の中で少しずつ変わっていきます。
そして気づいたことは、
周りから自分がどう評価されているかを気にするよりも、
「これまでの自分がどんなふうに歩んできたか」を
自分でよく理解してあげることの方が、ずっと大切だということ。
迷った時間さえ、
ちゃんと「私を育ててくれた時間」だったと認められるようになったとき、
肩の力がふっと抜けました。
そしてなにより、
そのステップは、誰かと比べる必要なんてないんですよね。
誰かより遅くても、静かでも、小さくても。
自分だけの歩幅で、自分らしく進んでいること。
それを自分自身が知っていることこそが、
心を育てる力になるのだと思います。
「がんばる」って、ただアクセルを踏み続けることではないですよね。
立ち止まり、自分の歩みを認めることの中にこそ、
次の一歩のエネルギーが宿っている気がします。
今のあなたは、どんなふうに“がんばって”いますか?
もし今、少しだけ疲れていたり、立ち止まりたくなっていたら。
そんなときこそ、アートや対話がやさしく寄り添ってくれるかもしれません。
絵を眺めて心をほどく時間。
すぐには言葉にならないことを自分なりに表現してみる時間。
慌ただしい毎日のなかでも、心に小さな余白をつくること。
その静かなスペースが、次の一歩のエネルギーになっていくはずです。