五感でめぐる美術散歩|5月号 ― 鯉のぼりが空に泳ぐころ ―

こんにちは。

一社)日本アート教育振興会の石川です

【1. 季節の入り口】

 

根津神社のツツジは見頃でしょうか?

新宿御苑のバラは今が見頃

 

4月から時流れ、5月の花々が爛々ですね!

そのほかにも新緑が気持ちい季節。

 

そして風にふくらみ、空を泳ぐ鯉のぼりの音。

子どもたちの笑い声が重なる、やわらかな陽ざしの昼下がり。

 

この季節は、視覚よりも先に
肌と鼻が先に季節の訪れを教えてくれるようです。

 


 

【2. 今月の1枚:月岡芳年《鯉幟》】

 

五月の風が、ビューと町の屋根を駆けぬけていく。

大きく口を開いた鯉のぼりが、
空をのぼるようにふくらんでいる。

 

浮世絵師・月岡芳年の《鯉幟》は、

明治時代の東京を背景に、子供の日の風物詩を描いた一枚。

 

風を受けて泳ぐ鯉、見上げる人々、軒下に集う家族。
空と人とがつながるような、

空間の奥行きと空気感が伝わってきませんか。

 

 

この絵の中で、どんな音が聞こえるでしょうか?

鯉のぼりの布がはためく音、子どもの声、遠くの祭囃子。

 

描かれていないものまでも想像させる力が、
絵の中にはあります。

  


 

【3. 美術探訪:彫刻の森美術館(神奈川・箱根)】

 

もし、アートの中を歩けたなら。
そんな夢を叶えてくれる場所が、箱根にあります。

 

「彫刻の森美術館」は、屋外彫刻が主役の美術館。

 

広がる緑の丘、透きとおる空気。
そこに突如あらわれる巨大なオブジェたち。

 

まるで自然の一部としてそこに在るような、
生命を持ったアートたちが、静かに語りかけてくる。

 

私のお気に入りは、
草むらに大の字で寝っ転がっているゴームリーの作品。

 

そのほかにも、ピカソ館や
ステンドグラスが天井まで広がる「幸せを呼ぶ塔」も有名。

 
風と木漏れ日、鳥の声に包まれて、
作品の中に自分の身体が入りこんでいく感覚。

 

美術館の敷居を越え、アートが「風景」になる瞬間を、

ここで体験してみてほしいです!

 


 

【4. ちょこっと一言】

5月はあちこちで鯉のぼりと出会います。

ある時は、直島の学校で。
ある時は、東京の神社で。

そして、またある時は東京ミッドタウンで。

 

以前は国立新美術館で「こいのぼりなう!」という
企画展も開催されていましたね。

 

みなさんは、今年どんな鯉のぼりと出会いましたか?

ぜひ空を見上げてみてください。

 

ぜひ鯉のぼり情報、お待ちしてます♪

 

ではまた次回の記事でお会いしましょう。

 

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