こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の三尾(みお)です。
最近、忙しい子どもたちをよくみかけませんか?
学習塾をいくつもかけもち、
クラッシックバレーやサッカーに通い、
家に帰ってくれば、
塾の宿題と、
学校の宿題で毎日追われる、、、
きづけば、
もう寝る時間に、、、
みたいな、、、
そんな姿です。
アイドル並みの忙しさ。
そしてそんな子どもたちの表情はといえば、
「やる気がみなぎり、生き生きしている!」
という子はあまりみかけないように感じます。
何か抑圧されているような、
何か不満げな、
何か悟ったような、
何か悲しげな、
何か諦めたような、
そんな表情に僕には見えます。
「やらなきゃならないタスク」
ばかり、、、といった表情。
とはいえ、先生や親御さんもみなさん、子どもの幸せな未来を思ってやっていらっしゃることと思います。
でも実はそのほとんどは、子どもの描いた未来のためというよりも、子どもの希望とは関係なく、大人が描いた理想へと子どもを導くもののことが多いように思います。
「あなたのためだから」
といいながら、実は大人たちの理想に近づけようと子どもの行動を監視し、コントロールする。
そしてそれに自分では気づけない我々大人。
こんな偉そうなことを言いながら、実は僕自身も気づくとそうなっている時が多々あります。
こういう親を、
ヘリコプターのように
子どもを監視しているということで、
「ヘリコプターペアレント」
とアメリカでは言うそうです。
先日アメリカ人の友人に聞いたのですが、
最近では
「Snowplow(スノウプラウ:除雪車)」
と呼ぶことが増えたそうです。
こういった状況はいろんな要因はあるとは思いますが、マクロな視点でみると、大きな要因の一つとしてはきっと、日本の入試システムが背景にあることは大きいのかなと想像しています。
ペーパーテストで全てが決まってしまう。
この入試システムはもう韓国と日本くらいしかないそうです。
世界の多くの国では、もはやペーパーテストの1点の差だけで上下を決め、人生がきまってしまうようなことはしていません。
それによって日本では、いき過ぎた監視やコントロールになってしまっていることが多いのかもしれません。
とはいえ、なんとなく違和感を持ちながらやっている先生や親御さんも多いのではないでしょうか。
その感覚は僕はとても素晴らしい感覚だと思います。
「アメリカ ソノマ州立大学の教授 ウェンディ博士」の著書の中に、これらのことを研究した結果について書かれています。
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最近の研究では、何にも縛られないスケジュールにすることが、子どもの管理機能を発展させるために重要な条件であると示されています。
中略
計画に縛られていない時間は、自分自身で計画し、それを実践する機会を子どもたちに与えます。
縛りが多すぎる子どもたちは、行動を自分でコントロールする方法を発見するという機会が奪われてしまうのです。
教室での学習を、苦もなく、自立的に進めるものにする(子どもたちの好奇心を持続させ、高める)ための重要な方法の一つは、スケジュールに縛られない時間をもうけることなのです。
「おさるのジョージ」を教室で実現 – 好奇心を呼び起こせ!
ウェンディ・L・オストロフ 著 – 59〜61ページより引用
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いかがでしょうか?
お子さんに日本だけで生きていってもらいたいと思えば、今のところは当分は入試は意識せざるをえないかもしれません。
ですが本質的には、子どもたちの「好奇心」を持続させ、高めていってあげることは、日本のシステムがどうこうに関わらず大切なことではないでしょうか?
いえ、それだけでなく、
AIがどんどん進化し、AIが分析、論理、数字、パターン認識、翻訳など一瞬でやってしまう時代には、「好奇心」はむしろ未来において、人間が幸せに生きていく上で、また仕事をしていく上でも、一番大切なものと言っても過言ではないのではないでしょうか。
好奇心がどこにむかっていくのか、、、
ということもまた大切なテーマでもありますが、それはまた次の機会にあなたと考えてみたいと思います。
「好奇心・・・」
人間、生まれた頃には誰もがもっていたもの。
でもそれが知らないうちに削がれていく社会、教育。
私たちは、どんな社会、教育を「再構築」していく必要があるのでしょうか。
今日もお読みいただきありがとうございました。
三尾洋介