こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の石川です。
「アートオタク」な私。
実はアート以外にも、いろんな「オタ活(?)」をしています!
その一つが「自身が蒸されること」です。
週末サウナから始まり、
今では月一回のよもぎ蒸しも(笑)
そしてまさにサウナでととのっている時、
ふと思いました。
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【?疑問?】
なんで世界中にある「蒸されるという行為」
どんな文化的にどんな差異があるのか。
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サウナも、よもぎ蒸しも、
共通して「蒸されています」。
全く違う国、
地理的にも遠いこの二つの国で、
同じく「蒸される」という行為を人々が行なっている。
それにはどんな文化的背景があるのか。
一度気になったらとまりません。
今日のメルマガは、そんな私の自由研究です(笑)
「サウナ好き」の方も
「よもぎ蒸しファン」の方にも、
「蒸される世界」に興味のある方/ない方も
ぜひ一緒に魅惑の「蒸される世界」の沼に落ちていきましょう。
◆フィンランド:サウナ
湿った木の香り。
熱せられた石に水がかかる音。
じわじわと身体を包む熱気。
誰も言葉を発さないのに、
そこにいるだけで伝わる、目に見えない安心感。
ここは、フィンランドの森に佇む小さなサウナ小屋。
「Löyly(ロウリュ)」とは、
フィンランド語でサウナの蒸気、
そして「魂の気配」を意味します。
ただ熱いのではなく、森の息吹を感じるような湿ったやさしさ。
蒸気の立ち上る音は、まるで自然からの祈りのようで
す。
フィンランドのサウナは、誰にでも開かれた空間であ
り、
静けさの中に共鳴する安心感があります。
自然とともに呼吸するようなサウナは
「人間も自然の一部だ」という哲学の体現でもあるそうです。
◆韓国:よもぎ蒸し
一方で、韓国のよもぎ蒸し。
韓国の「よもぎ蒸し」は、
椅子に座って下半身を蒸気で温める、優しい癒しの時間。
よもぎと漢方の香り高い空間。
たった15分くらいでぐわーーーーっと汗が出てきて
血のめぐりがぐっとよくなっていることが分かります。
またよもぎの香りが
サウナとは違う「デトックス感」を感じさせてくれます!
また本場の韓国では、
一人用個室よりも、数席が並ぶサロン形式が主流
なんだとか。
そのため、自然と隣の人と会話が生まれやすいようです。
(私が通っているサロンは個室なので、
もしかしたら『本場の魅力』を
実感しきれていないのかもしれません!)
またよもぎ蒸しは
「女性同士の情報交換の場」としても機能しており、
美容から体調、子育て、仕事の話など
様々な会話が飛び交っているとか。
韓国のよもぎ蒸しは、「一人で静かに」というよりは、
「人と一緒に癒される」
「会話も交えながら緩む」空間と言えますね!
◆日本:蒸し風呂
そして日本。
今でこそ「湯船」が主流ですが、
古い日本のお風呂文化と言えば、寺院の蒸し風呂。
日本に現存する最も古い蒸し風呂は、
奈良県奈良市にある法華寺の「浴室(からふろ)」!
この浴室は、約1250年前の奈良時代に光明皇后の発願により建立。
当時から庶民への施浴を目的として使用されていました。
現存する建物は明和3年(1766年)に再建されたものですが、
奈良時代の入浴文化を今に伝える貴重な遺構として、
国の重要有形民俗文化財に指定されています。
(余談ですが、サウナのテレビ番組があり、
そこでなんとこの浴室が紹介されたんです!)
また、京都市東山区の東福寺にも、
現存する禅宗伽藍の中で最古とされる浴室があります。
この浴室は1459年に建てられました。
当時は多くの僧が修行していたため、
蒸気で体の垢を落とすことで水や薪を節約していたと
されています。
これらの寺院に残る浴室は、
仏教とともに伝わった入浴の功徳を体現するものであり、
日本の蒸し風呂文化の起源を知る上で非常に貴重な存在です!
話さない、音を立てない、ただ熱に身をゆだねる。
その姿勢は、現代のサウナ文化にも反映されています。
まるで、日本のサウナ室は「現代の禅堂」のようです。
思考が手放され、残るのは「今ここ」にある体と呼吸だけ。
まさに「無になることで、何かを受け取る」という
東洋的な空白の美学を映しています。
じっと背筋を伸ばし呼吸する。
熱と、めぐる血液と、瞑想する身体。
そして水風呂から外気浴へ。
ととのいイスに座って大きく深呼吸。
吐いた息の中には
こもった熱とともに、
いろんなモヤモヤも、外気に溶けていく。
そんな感覚。
熱、香り、静けさ、祈り。
世界の蒸し文化を辿っていくと、
それぞれの地域に宿る人間観や関係性、
癒しのかたちが見えてきます。
調べた中で「はじめまして!」の蒸し文化がこんなに!
・メキシコ:テマスカル(Temazcal)
・タイ:ハーバルサウナ(Herbal Steam)
・モンゴル:ゲルの蒸し風呂文化(ジム)
・エストニア:スモークサウナ(UNESCO無形文化遺産)
世界には、まだ知らないことであふれています!
その「未知」との遭遇は、なんて楽しいのでしょうか。
機会があったら全部体験してみたいです(笑)
そして、「蒸す文化」を調べていく中で、沸いた疑問。
「わたしにとっての“サウナ”とは、どんな営みだろう?」
次にサウナや蒸し風呂、よもぎ蒸しに入るとき、
あなたの中の「蒸される感情」にも、そっと触れてみてください。
そして、もしこの“蒸す文化の世界”に、
もう少し深く足を踏み入れたくなったら──
いつか、「世界の蒸し文化めぐりツアー」、
一緒に妄想しましょう!笑
それでは、今日もあなたの内なる「感覚」が、
しずかに、あたたかく、ととのいますように。
今日も最後までお読みくださりありがとうございました
また次の記事でお会いしましょう。