こんにちは!
一社)日本アート教育振興会の河野です。
あなたは「学ぶ」という言葉の語源をご存じでしょうか?
じつは「学ぶ」は、
「真似ぶ(まねぶ)」が変化した言葉だと言われています。
つまり、学ぶという行為の原点には
「真似ること」
があるのです。

これは、私たちが子どもたちに何かを教えるとき、
あるいは大人になって
から自分自身を育て直すときにも、
大切なヒントになると感じています。
たとえば、赤ちゃんが言葉を覚えるとき。
絵本を読みながら、
おうむ返しのように
「わんわん」
「ぶーぶー」
と大人の口まねをしていきますよね。
同じように、
絵を描く、踊る、歌う、
すべての創造的な営みの最初の一歩には
「誰かのまね」があります。
「これはいいな」
「すてきだな」
と感じる何かに出会い、
それを真似してみる。
それが、
自分だけの表現、
自分だけの考え、
自分だけの言葉へと
つながっていきます。
つまり、「真似ること」は
恥ずかしいことでも、未熟なことでもありません。
むしろ、
学びの最初に必要な、
大事な営みなのです。
ただし、ここには少しだけ注意も必要です。
「真似る」ことだけに夢中になっていると、
自分自身の感性や内側の声を
見失ってしまうこともあります。
たとえば、
「このやり方が正しいんだ」
「この表現がうまく見えるんだ」
と思い込んでしまうと、
それ以外の方法が見えなくなってしまうことってありますよね。
だからこそ、
「真似る → 自分で感じて考える → 新しい表現につなげる」
という流れを意識することが大切です。
真似ることは、あくまで出発点です。

そこから、どう「自分のもの」にしていくかが、
本当の「学び」なのではないでしょうか。
学ぶということは、真似ぶということ。
でも、真似るだけで終わらず、
そこから自分なりの意味や価値を育てていく。
そのプロセスを応援するのが、
私たち大人の役割なのだと思っています。
あなたの最近の「まねぶ」体験は何でしたか?
素敵な表現や言葉に出会ったとき、
「あ、真似したい」と思った自分
をどう感じましたか?
ぜひ、そんな原点をたどる時間をとってみてください。
そして、子どもたちにも「どんどん真似ていいんだよ」と伝えていきたいですね
誰かのまねをしてみること。
それって、とても自然で、
大事なことなんだなあって、改めて思います。
うまくできなくてもいいし、途中で変わってもいい。
真似ることから、
自分だけの“好き”や“心地よさ”が育っていくんですよね。
そんな風に、子どもも大人も、のびのびと学べる時間がふえていくといいなと思います。
本日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。