【学ぶこと】が好きになるまで(2)


こんにちは。

一社)日本アート教育振興会の石川です

前回の記事で

「大の勉強嫌い」だった私が

 

・クラス1位をとった中学の成績急成長

・高校進学が危ぶまれた絶不調期

・恩師との出会い

   

と、恩師との出会いまでをお話ししました! 

  

 

「どんなことでもいいから

【アウトプット(書き出し)】する」ことを

意識していた現代文の先生。

 

そんな先生とのノートのやりとりを

早速みてみましょう。

 

【「書き出す」ということ】

 

現代文のノートを1ページをみてみると、

 

ミミズのような小さくヒョロヒョロとした文字で

一冊の本について、石川が思ったことはなんと【5行

 

その1行目にはこんな感想が。

  

 =======   

 <引用>

 「一章、二章でいっていることはだいたいわかるけれど 

 この本全体で言いたいことがよくわからない」。

 =======

   

そして「だいたいわかるけれど」
に波線がひかれ、

ぐっと5行先の大きく開いた余白に

先生の達筆な文字でコメントがびっしり!

  

「何が書かれて言えるのか」と 

当時恐ろしさとともに、息を忍んで読みました。

 

=======

<引用>

その『だいたい』の中身が大事です。

わかったと思うことが書けるかどうか試してみてください。

 

(中略)

  

一講に何が書かれていたか、おもしろいと思ったところ、

ここは重要だと思ったところはどこか。

書き抜いてみましょう。 

 

それは『大事だと考えた』『おもしろいと思った』のですから

書いていいわけです。

 

一度書き取ったら、

その考えは、自分のものにしてしまいましょう。

いつか
どこかで
誰かに使ってみましょう」。

=======

   

 

  

【許容される感覚】

 

衝撃的でした。

 

【絶対的な正解】を教えてくれる先生が

 

それは『大事だと考えた』『おもしろいと思った』のですから

 書いていいわけです。

 

と私の『考える余白』を許容してくれたのです。

 

 

どうして私は先生のコメントを
「恐ろしい」
と思ったのでしょうか。

 

恐ろしいと思った先生コメントは、

私の意識を【ぐるん】と変える

私の人生を180度変えてしまいました。

  

 

次のページをみてみましょう。

〜〜〜 

 

本一冊を「5行」でまとめていた私が、

第一章に対して「8行」

自分の「興味深い」と思ったところを書いています!

 

そして、その隣には先生のコメント。

  

 =======

 <引用

 「私もここの部分は大好きだし、

 勉強になりました」。

 =======

  

 

そして次は第二章について「16行」

「わかったこと」「気づいたこと」を綴っています。

 

そして第一章と同じく、

隣には先生のコメント。

 

 

そして5ページ目には、

第五章で思ったことを全ページ(32ページ)に渡って

書いています!

 

我ながら大きな変化です!!

 

そしてその次のページまるまるに

先生のコメント。

〜〜〜

 

私は知らないうちに、

 

◆読むという楽しさ

◆言語化する楽しさ

◆共有することの楽しさ

 

を知ってしまったようでした。

 

 

 

先生のコメントも大変勉強になるとともに

1ページ目に書かれていた

 

いつか
どこか
誰かに
使ってみましょう」を

体感することができました。

  

先生も「本から学び」、

その血肉となった知識を、私に伝えてくれていたんですね。

   

  

【「学ぶことの楽しさ」とは、数値化でできない何か】

 

先生とのこのやりとりは約1年半続きました。

というのも、このノートの提出は任意で、

私の教室には私の他に、もう一人くらいしかいませんでした。

 

 

一章について、かける量が増え

そして文字もヒョロヒョロから【読める文字】に!!

 

 

このノートを見返すと

自分のいろんな変化を感じます。

   

 

今思うと、

高校進学が危ぶまれた私はきっと、

勉強という【正解】を見つけるという作業に

そして【点数】に追い込まれていくことに

知らないうちに疲れていたんだと思います。

  

 

「書いていい」

  

 

とても些細な言葉かもしれません。

 

 

それでも、この一言から

 

先生の【学ぶ】という姿勢や

【思考を深めること】の充実感、

【知る】ということの楽しさ、

  

そして【認められている】という安心感と

【自由に感じてもいいんだ】

 

そんな様々なメッセージを

力強く感じました。

 

そして先生とのやりとりが刻まれた

このノートは、今でも大切に仕事机の上に。

 

  

この記事の終着点はわかりません(笑)。

 

最後まで読んでくださった【あなたにとって】

私の思い出話はどんなふうに写ったでしょうか?

 

何を感じたでしょうか?

  

何かあなたの中で共感するものがありましたら

嬉しいです。

  

 

【最後に】

 

高校時代の1番の後悔は

恩師の連絡先を聞けなかったことです。

 

連絡先は聞けないけど

卒業後も、先生に会いたくて母校へ。

 

しかし現在、恩師は高校教師を引退し

会う手段は、もうありません。

 

色褪せていく記憶の中で、

今でも恩師との思い出であるこのノートは、

わたしの一生の宝物です。

 

先生が教えてくれたように、

「大事だと思った知識・考え」を自分の血肉にし

 

そして

いつかどこかで誰かに伝えられる人間になれるよう

これからも精進してまいります。

 

 

先生、『学ぶ楽しさ』を教えてくださり

ありがとうございました。 

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

では、また次の記事でお会いしましょう。

 

 

 

 

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