自然と戯れる美術館シリーズ。
本日、最終回です!
第一回では、現代アーティスト・千住弘の
作品を軽井沢の自然と堪能できる「軽井沢千住博美術館」を、
そして第二回では、自然と一体になって作品を、空間をつくりだす
「不均質な自然と人の美術館」(大分県)
をご紹介して参りました!
そして、このシリーズを締めくくる美術館を
考えるに、とても頭を悩ましました。
決められないのです!笑
悩んで悩んで、セレクトしました。
今日紹介する美術館は、私が初めて「自然と戯れる美術館」を
意識させられたすごくお気に入りの美術館です。
<展示室の外に広がる遊歩道の創造性>
このシリーズ、最後にご紹介するのは
箱根にある「ポーラ美術館」。
印象派をはじめ、西洋・日本の近現代を中心とした
作品を収蔵・展示しているポーラ美術館。
私が初めてここを訪れたのは、
確かエミール・ガレの展覧会でした!
その展示でもガレが見つめた自然の蒐集が
テーマにあった気がします。
その展示は言うまでもなく学びが多く、とても興味深かったです。
そして展示室をでて次の目的地に行こうとした時、
「遊歩道」の文字が目に留まりました。
当時の私は「ただの遊歩道」だと思って
軽い気持ちで入ってみると、なんてことでしょう。
「ただの遊歩道」?
とんでもない!
そこには彫刻をはじめ、
様々な「オブジェ」が自然に溶け合うように、
自然と共鳴するように、佇んでいたんです。
特に驚かされたのは、
「音の集合」によるオブジェです。
<フルートの音に耳を澄ませて、自然の音色を味わう>
私が、ポーラ美術館の中で心奪われた作品。
それはスーザン・フィリップスの《Wind Wood》。
遊歩道に足を踏み入れると、
微かに聞こえてくるのは、フルート?
・・・・
・・
・
スーザン・フィリップスの《Wind Wood》は、
音階ごとに解体されたフルートの「音色」によって構成されています。
音階ごとになったフルートの音色は
点在した11個のスピーカーから空間へ響き渡ります。
空間に散らばったフルートの音たちは、
音階ごとに解体された音同士戯れ、
風の音と、
葉の揺れる音と、
鳥の声と、
会話するように、
遊ぶように、
軽やかに、
柔らかに、
空間を包み込むように
広がり浸透していくようです。
<自然と時間を重ねる>
スーザン・フィリップスの作品を始め
遊歩道に足を踏み入れ、作品たちが自然とともに
時間を積み重ねた作品たちと出会うことができます。
そして季節の循環の中で
作品たちと自然の調和に耳を澄ましてみてください。
<最後に>
いかがでしたでしょうか。
本シリーズでは「自然と戯れる美術館」をご紹介してまいりました。
しかし、まだまだ紹介できていない美術館がたくさんあります!
都市の中にありながらも「小さな自然」を感じられたり、
ふとした瞬間に「自然」を感じる美術館は私たちの周りに溢れています。
もしかしたら、
あなたが好きで行っている美術館や、
あなたの気になっている美術館にも
【自然との戯れ】を感じられるポイントがあるかもしれません。
今度、美術館に訪れる際には
そんな「展示・作品」以外のところにも
目を向けてみてはいかがでしょうか?
あなたにとって、
アートと自然の素敵な戯れを感じてみてくさい♪
今回はここまで!
また次のメルマガでお会いしましょう!