自然と戯れる美術館:シリーズ3

自然と戯れる美術館シリーズ。
本日、最終回です!

第一回では、現代アーティスト・千住弘の
作品を軽井沢の自然と堪能できる「軽井沢千住博美術館」を、

そして第二回では、自然と一体になって作品を、空間をつくりだす
「不均質な自然と人の美術館」(大分県)

をご紹介して参りました!

そして、このシリーズを締めくくる美術館を
考えるに、とても頭を悩ましました。

決められないのです!笑
悩んで悩んで、セレクトしました。

今日紹介する美術館は、私が初めて「自然と戯れる美術館」を
意識させられたすごくお気に入りの美術館です。

<展示室の外に広がる遊歩道の創造性>

このシリーズ、最後にご紹介するのは
箱根にある「ポーラ美術館」。 

印象派をはじめ、西洋・日本の近現代を中心とした
作品を収蔵・展示しているポーラ美術館。

私が初めてここを訪れたのは、
確かエミール・ガレの展覧会でした!

その展示でもガレが見つめた自然の蒐集が
テーマにあった気がします。

その展示は言うまでもなく学びが多く、とても興味深かったです。

そして展示室をでて次の目的地に行こうとした時、
「遊歩道」の文字が目に留まりました。

当時の私は「ただの遊歩道」だと思って
軽い気持ちで入ってみると、なんてことでしょう。

「ただの遊歩道」?
とんでもない! 

そこには彫刻をはじめ、
様々な「オブジェ」が自然に溶け合うように、
自然と共鳴するように、佇んでいたんです。

特に驚かされたのは、
「音の集合」によるオブジェです。

<フルートの音に耳を澄ませて、自然の音色を味わう>

私が、ポーラ美術館の中で心奪われた作品。

それはスーザン・フィリップスの《Wind Wood》。

遊歩道に足を踏み入れると、
微かに聞こえてくるのは、フルート?

・・・・
・・

スーザン・フィリップスの《Wind Wood》は、
音階ごとに解体されたフルートの「音色」によって構成されています。

音階ごとになったフルートの音色は
点在した11個のスピーカーから空間へ響き渡ります。

 

空間に散らばったフルートの音たちは、
音階ごとに解体された音同士戯れ、

風の音と、
葉の揺れる音と、
鳥の声と、

会話するように、
遊ぶように、
軽やかに、
柔らかに、

空間を包み込むように
広がり浸透していくようです。

<自然と時間を重ねる>

スーザン・フィリップスの作品を始め
遊歩道に足を踏み入れ、作品たちが自然とともに
時間を積み重ねた作品たちと出会うことができます。

そして季節の循環の中で
作品たちと自然の調和に耳を澄ましてみてください。

<最後に>

いかがでしたでしょうか。
本シリーズでは「自然と戯れる美術館」をご紹介してまいりました。

しかし、まだまだ紹介できていない美術館がたくさんあります!

都市の中にありながらも「小さな自然」を感じられたり、
ふとした瞬間に「自然」を感じる美術館は私たちの周りに溢れています。

もしかしたら、
あなたが好きで行っている美術館や、
あなたの気になっている美術館にも
【自然との戯れ】を感じられるポイントがあるかもしれません。 

今度、美術館に訪れる際には
そんな「展示・作品」以外のところにも
目を向けてみてはいかがでしょうか?

あなたにとって、
アートと自然の素敵な戯れを感じてみてくさい♪

今回はここまで!
また次のメルマガでお会いしましょう!

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