こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の河野です。
あなたは、誰かと話していて
「この人の言葉は正しいのに、なぜか納得できない」
と感じたことはありませんか?
または、うつむき加減に帰ってきた子ども。
口では
「何でもない」と言っています。
どちらも気になりますよね。
この違和感はどこから来るのでしょう。
これは非言語メッセージが原因となっています。
相手を観察すると見えてくる
表情や歩き方、視線の動きは、
言葉以上に心の状態を雄弁に語っていることがあります。
これこそが「非言語メッセージ」です。
つまり、言葉にしなくても伝わる、
表情、身振り、視線、声のトーン、話すときの間。
空気感、そして表現の在り方。
これらはすべて、私たちの感情や意図を伝える大切なサインです。
確かに言葉も大切なのですが
でも実は、
人と人がコミュニケーションするとき、
7~9割は言葉以外の情報で成り立っている
と言われています。
たとえば、
目を見て話しているか
声のトーンが優しいか
うなずきやリアクションがあるか
こういった“言葉じゃない部分”に、人はとても敏感です。
私たちは、小さな頃からこうしたサインを受け取りながら、
無意識のうちに「この人は安心できる」「話したくないかも」と感じ取っています。
そしてこの「非言語メッセージ」を受け取る力、
そして自ら発する力は、
じつは対話型鑑賞のプロセスの中で自然に育んでいくことができる
のです。
対話型鑑賞は、アート作品を見ながら
「何を感じたか」
「なぜそう思ったのか」を、
他者と「正解のない対話」をしながら深めていく方法です。
え?非言語が大事と言っているのに、
結局言語でコミュニケーションをするの?
と思われたかもしれません。
ここで注目したいのは、
私たちが
作品から受け取る多くの情報が、実は非言語的
であるということです。
「なんだかこの人、悲しそう」
「この色がすごくあたたかい感じがする」
こうした感覚的な気づきは、
言葉にすることで整理され、伝えることで共有されていきます。
さらに参加者は
コーチが非言語、言語すべてを使って作り上げる、
「安心できる場」でこの対話を行っていくのです。
このように対話型鑑賞の場で参加者たちは
非言語メッセージを
たくさんキャッチしながら、対話を重ねていきます。
これからの時代に必要とされるのは、
単なる知識や技術だけで
はなく、
「共に働く」
「相手の立場を想像する」
「自分の気持ちを丁寧に伝える」
といった“見えない力”です。
非言語メッセージは、目に見えにくいものです。
でも、それを「見ようとする」「聴こうとする」態度こそが、
対人関係力、自己理解、そして学びの深まりにつながっていきます。
対話型鑑賞は、“話し上手”や“聞き上手”を育てるベースにもなり
かつ気軽に取り入れることができる手法です。
教育の現場に、そして日常に、もっと取り入れていきませんか。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。