こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の三尾(みお)です。
今日は、
「ランドセルの実験」
でわかった親子の認識差
というお話をしたいと思います。
ランドセルを使った
ある興味深い実験があります。
まず、子供たちにランドセルの色を自由に選んでもらい、その後、親にこう問いかけます。
「あなたのお子さんは、どの色を選んだと思いますか?」
ほとんどの親は自信をもって答えます。
「うちの子なら、きっと〇〇色だよ!」と。
そして、その予想は実際に子供が選んだ色とほぼ一致していました。
「ほら、やっぱりね!」
でも実は、
この実験には続きがあります。
でも実は、この実験には続きがあります。
今度は子供たちにこう尋ねました。
「お母さんが喜ぶからとか、誰かに合わせる必要はないよ。
本当に自分が好きな色はどれ?」
すると、驚くべきことに、
多くの子供が最初に選んだ色とは異なる色を指さしたのです。
明るいピンクや落ち着いたブルー、鮮やかなレッドや目立つイエロー…。
それは、親が「この子はこういう色が好きだろう」と思っていたものとは全く違う選択でした。
この実験が
教えてくれること
この結果は、私たちに重要な気づきを与えてくれます。
親や先生など大人が「理解しているつもり」でも、子供は親や先生など大人の期待や無意識のプレッシャーを感じ取り、それに合わせた選択をしていることが多々あるのです。
「これを選んだら、お母さんが喜ぶかな?」
「先生はこっちのほうが褒めてくれるかもしれない」
「みんなが好きな色を選んだほうが安心かも」
こうした考えが頭をよぎるたびに、子供の「自分で考える力」や「問いを立てる力」は、少しずつ削がれていきます。
それは、世界に対する興味や、自分自身の感覚を信じる心が薄れていく瞬間でもあります。
問いを立てる力は、生きる力の源です。
親や先生に
「あなたはどう思う?」
「どっちが本当に好き?」
「心がワクワクするのはどれ?」
と、問いを与えられるのではなく、
「私はどう思う?」
「私はどっちが本当に好き?」
「私の心がワクワクするのはどれ?」
「今起きていることは、こういうことなんじゃないだろうか?」
と、自分自身で問いを立てることが、これから不確実で変化の激しい時代を生き抜くためにはとても重要なこととなります。
もしもあなたも、意識的に、無意識的にかかわらず、
「私も子どもたちに、問いを与え続けている一人かもしれない、、、」
そんな心当たりがあるようでしたら、
子どもたちにとって、それが、長期的視点で本当に良いことなのか、、、
今一度立ち止まって考えてみることは必要かもしれません。
今日もお読みいただきありがとうございました。
三尾洋介