こんにちは。
一社)日本アート教育振興会の窪田です。
まわりの反応が気になって、自分の感じたことを
言葉にせず、そっとしまいこんだことはありませんか?
たとえば……
自分が「いいな」「好きだな」と思ったものが、
他の人とちょっと違ったとき。
その場の空気に合っていない気がして、
言葉にすることをためらった。
そんな経験。
今日は、そんな“ちょっとしたためらい”の瞬間
から、
自己肯定感を高めるきっかけが見えてくるかもしれない……
という私自身の気づきをお届けします。
……実は私も、自分の思いや考えを
言葉にするのが苦手なタイプでした。
子どものころ、仮面ライダーや
戦隊ものが好きだった私は、
まわりの女の子たちが熱中する
モーニング娘。や、セーラームーン
の話題に
全くついていくことができませんでした。。。
彼女たちとの違いを感じるたびに、
まるで自分だけが、その空間から
浮いてしまっているようで……。
段々と、自分の「好き」を
表に出せなくなっていきました。
大人になるにつれ、
「ズレてるかも」
「変に思われるかも」
という恐怖から、
思ったことを黙ってやり過ごす
そんなクセがついていきました。
特に、「好き」は言葉にするのが難しい。
まわりと違っているときほど、
理由が必要な気がしてしまいます。
でもあるとき、
友人との会話でちょっとした発見がありました。
自分の考えを隠さず、
勇気を出して話してみたところ……
彼女から返ってきたのは
「なるほど、そう思ったんだね」
という一言でした。
違うとも、同じとも言わず、
ただ受け止めてもらえたその言葉に
心の底からほっとして、
無意識に、
相手にとっての正解を探そうとしていた
そんな自分に、気がつきました。
それから少しずつ、
「自分の気持ちに、正解も不正解もない」
と、思えるようになりました。
誰かと同じじゃなくても、理由がなく
ても、
自分が感じたことをそのまま言えると、
心が軽くなるものです。
……そして、そんな経験が
自己肯定感を高める一歩
になっていくのだと実感しています。
教育の現場でも、こうした安心感はとても大切です。
子どもたちが感じたことや考えたことを、
大人がどう受け止めるかによって、
「自分でいていい」
という感覚は大きく変わっていきます。
「すごいね」と褒めることも、もちろん素敵ですが
「そう思ったんだね」とただ受け止める。
それだけで表情がやわらぐ子どもたちを、
何度も見てきました。
私たちが実践している対話型アート鑑賞でも、
「なんとなく好き」
「なんか気になる」
といった曖昧な感覚を大切にしています。
正解を探さず、
「自分の言葉」で「自分の感じたこと」
を表現すること。
その経験は、子どもにも大人にも、
自己肯定感の土台を育てる時間に
なると感じています。
家庭でも、学校でも、職場でも。
「それ、いいね」と同意されなくても、
「そう思ったんだね」
と
受け止めてもらえるだけで、安心できることがあります。
きっと誰にでも、
まわりの空気を読んで一歩引く瞬間ってありますよね。
子どもだけじゃなくて、大人にだって。
むしろ、経験を重ねた大人だからこそ、
伝えない
という選択をとることが、
増えるのかもしれません。
だからこそ、ときどき自分に問いかけてみる。
最近「これ、いいな」と思った気持ちを、
否定せず、そのまま感じていられたかな?
そうやって立ち止まって、
しまい込んだ気持ちに目を向けてみる。
そんな時間が、自分や誰かの
自己肯定感を高めるきっかけになります。
子どもたちとの関係も、
自分自身との関係も、
本当はもっと、あたたかくて自由でいいはず
です。
だからこそ、「これが好き」と言える自分を、
これからも大切にしていきたい。
そう私は考えています。